楊柳山の麓の鬱蒼とした深い森の中。
道路わきの車の中で朝食代わりにオニギリを食べていると、
裸足の外人が靴を片手に持ったまま車中の私に微笑みながら、
「おはようございます」と挨拶したので、私は車から降りて
朝の挨拶をし、どこから来ているのか?
高野山で何をしているのか?
何をしにこんなところに来ているのか?
日本語は話せるのか?
良かったら名前を教えて下さい?
など立て続けに尋ねました。
出身はアメリカのノースダコタ。
高野山大学で英語を教えながら、真言密教の勉強をしている。
お世話になっているのは無量光院さん。
これから楊柳山に登るところであること。
名前はElick Oneil.
そして、「how old are you?」と問いかけると、
すかさず、「I am  a happy old」と笑いながら答えるユーモアの持ち主。
“yahoo”に入っている彼のアドレスも教えていただきました。
私はというと、
主として野鳥を追っかけているnature photographerであること。
兄の新盆で東京から帰郷していること。
毎朝、国宝金剛三昧院の多宝塔の脇道の熊野本宮へ通じる小辺路の大滝路と、
この山深い楊柳山の麓で小鳥を撮影していること。
こんな風に撮っているのだ、などとカメラのモニターをお見せすると、
「素晴らしい、きれい、きれい」の連発で、私も有頂天。
彼曰く、
「高野山は仏像、建物、みな素晴らしいけど、私はみんなに
山や小鳥や動植物—自然の素晴らしさをもっと教えてあげたい」と。
彼は自然が大好きで、どうやら日本人以上に経典や堂塔伽藍、花鳥風月を
心底から愛して止まないアメリカンであることが理解できました。
このところ、世界遺産の聖地として世界の人々から愛されるように
なった高野山が私の生まれ故郷である事の誇りと喜びが夏の朝の光が深い森に差し込む
ように慈光となって沸いてきました。
一期一会あなたとの早朝の遭遇に感謝いたします。
Elickさん 私の親兄弟の永眠している高野山をいつまでも愛してやって下さい。


作務衣を着て楊柳山の麓でお逢いしたMr. Elick Oniel

 

 

 

 


エリックさんと初めて見つけた紫色のキノコ(purple  mashroom)
そういえば子供の頃“聖茸”って聞いた事がありますが、これを指しているのかも知れません。
高僧が身にまとう袈裟衣の高貴な紫色そのもののように思われます。

 

 

 

 


ホタル袋

 

 

 

 


黄ツリフネソウ

 

 

 

 


水木の葉に寄生する森の美しいカメムシ(ヒメハサミツノカメムシ

 

 

 

 


オオヘリカメムシ
色は地味ですが、やや大きいカメムシで、出すにおいも強烈です。刺激しないように・・・・