大都会の貴重な森と野原には秋ならではの遠来の冬鳥や
樹々の彩りと人の関わりが堪らなく心に沁みてきます。
ヴェルレーヌの詩にこんなのがあります。 

秋の唄


                                  ポ-ル・ヴェルレーヌ(金子光晴訳)

秋のヴィオロンが
いつまでも
 すすりあげてる
身のおきどころのない
さびしい僕には、
 ひしひしこたえるよ。

鐘が鳴っている
息も止まる程はっとして、
顔蒼ざめて、
 僕は、おもいだす
むかしの日のこと。
 すると止途(とめど)もない涙だ。

つらい風が
僕をさらって、
 落葉を追っかけるように、
あっちへ、
こっちへ、
 翻弄するがままなのだ。

 

 

 

 

 

 


なかよし