ツマグロヒョウモン

北上が顕著なこの蝶はここ5,6年の間にこの公園界隈でも
個体数が眼に見えて増えつつある
幼虫の食草は主として野生の各種スミレだそうです。
園芸種のパンジーやビオラも食すという。
近年園芸種のパンジーやビオラ(小型のパンジー)など
どんな家屋の庭先やベランダでも
容易に栽培されて綺麗な多色を楽しめるように
なったが故に、温暖化と相呼応して成虫がこの花の周りに
大量に卵を生みつけ、益々大発生を招いているのかもしれない。
その上 他のヒョウモン蝶類は殆ど年一度の発生に対し、
この成虫は4月から11月頃まで…(暖冬にでもなれば12月に入っても
フワリフワリとゆったり飛んでいる)観られ、
年間4,5回は発生しているらしい。また幼虫や蛹で越冬もする。
ぽかぽか陽気の今年4月中旬、川に沿ったコンクリートの上で
交尾する姿を撮らえた。
交尾時間が長く、エネルギッシュ(15分以上)で驚いた。
一部はビデオ撮影の写真だが、私もビデオだと眼が疲れ、
飽きてきて、その場を立ち去ろうとすると心地よさそうに
妙適のまま のどかな春の空に飛び去ってしまった。
関東地方が更に温暖化すると益々北上し、東北地方北部まで
北上するのは数年以内に間違いない。
この蝶の分布は熱帯から、亜熱帯、温帯地域と広い順応性を
もっており、日本も亜熱帯化しつつあることはこの蝶の
早い北上を観てもその証明になる。因みに私の持っている
昭和46年(1971年)版の日本蝶類図鑑のツマグロヒョウモンの解説欄には『幼虫が越冬でき、
春型の発生のみられる棲息限界の東北端は大阪府南部辺り
ではないかと考えられている』とあり、
数年に1,2度の暖冬が原因の棲息限界オーバーを
考慮にいれたとしても、
近年、常年春先からこの蝶が関東地域に観られるということは、
僅か30年足らずで、間違いなく地球は人間の生活行為が原因で
温暖化(日本の亜熱帯化)をもたらした事の証左になる。