島全体が野性味溢れ、都会とは全く違う時間が流れる。
東京に戻っても一向に島の風景や小鳥たちの動きが記憶から消えようとしない。
小鳥たちの爽やかなさえずりの声、島人の屈託のないおおらかさ、島のどこに居ても
波の音が近く遠く岸壁に打ち付ける心地よい響き。珍種の花や草木が至る所に鳥たちと
一体となって耳や目そして心身を和ませてくれます。
10数年昔のこと・・・
80歳を超えた先輩鳥友が夜になっても民宿に帰ってこないので、皆で島中を
探しましたがその夜は見つからず、明くる日もう一度総動員で探す事になりました。
島の北側の海に近い美しい龍神池に入水したのではと探しましたが見つからず、
あきらめかけたその直後、
池の反対側の道路からそんなに離れていない茂みの中に
うずくまって、亡くなられていたという。
この話を聞くにつけ、
自死か事故死かは関係なく、幸せな死に方をされましたね~、と私達birder仲間の中でも
誰ひとりとしてその往生際を否定するものはなく、むしろ羨望の物語として民宿の
土間のストーブを囲んで皆笑顔でその話を聞き入っていた事を忘れません。
野鳥大好き自然大好き人間にとってそれほど魅力のある舳倉島なのです。
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