サンコウチョウの巣作りと巣篭もり

今年の巣作りも巣篭もりも家族差はありますが、大体1週間から10日くらいは例年より遅れているようです。

巣の近辺に透明な小川が流れ(川虫の成虫やトンボや蝉を餌にする)
やや薄暗い枯れ枝を持つ杉林の中の高木近辺、
巣の上部には雨よけになるような広葉樹の葉が幾重にも重なり、
東南アジアの亜熱帯から温帯にかけた地域の湿潤にして高温な日本の夏の気候条件を備えた南斜面の山裾近辺が
サンコウチョウの営巣の立地条件です。

雄も雌もせっせと交替でsweet homeを構築してゆく姿は微笑ましくも驚きでもあります。
人間は大工さんや工務店にお願いして、家を建築していただきますが、
サンコウチョウは夫婦で真面目に急ピッチで一気に4~5日くらいで完成させます。
巣篭もりに適した天敵(リスや猿や大型の猛禽類やカラス等)を避けることのできる
三叉や二股の細い枝を利用します。
杉の葉や皮の繊維や、枯れ木の皮を唾液で固めたり、蜘蛛の巣の糸を大量に集めて、
建築材料を支柱に巻きつけたり、重ね貼りしたりして、
巣篭もりに適した居心地の良い円錐形のカップ型の巣を造ります。
外から見ても周囲の環境に合った外壁をウメノキゴケを蜘蛛糸で貼り付け、丁寧に作り上げる様子は見事です。
こんなペアーの働きぶりを観察していると、華麗で逞しい生命の尊さを再認識いたします。
抱卵日数12~14日、孵化後8~12日で巣立ちます。
可愛い新生雛たちが無事に巣立つことを祈らずにはいられません。