舳倉島は不思議な島です
国境のないさまざまな小鳥たちは
あの小さなキクイタダキすら
幾千キロ幾百キロの距離をものともせず、
飛来するこの島が大好き。
私達birderもどこよりもこの島が大好き。
どんな小鳥に逢えるかな・・の
島に着いた時の期待にうち震えるワクワク感・・・
歩けども探せども未だ見ぬ珍鳥への果てしない希望。
持ち続ける一期一会の出逢いとあきらめ。
よく考えると小鳥探しを手段にして
自分と対峙して自分の内面や世界や本物の自然を見直す人生の
とても大切な時間なのかもしれない。
島から遠ざかるとき、小鳥たちと別れるとき、
私は何度もっと居たい、未だ見ぬ小鳥たちに逢いたい
と思いながら止むなく出帆を告げる汽笛を聞きながら
島が小さくなって行くのをジッと見つめていた事か。
お世話になった素朴で自然のままの島の人たち、
島の至る所で咲いている可憐な花々、
真っ青な海と海岸の黒磯に打ち寄せる真っ白な波しぶき
絶えることの無い小鳥たちの変化に富んだ歌声、
これらがみんな大切な忘れられない想い出となって
また再び何度でもこの島を訪れたくなるのです。